最近ではテレビCMや新聞、雑誌、ネットなど、さまざまなメディアで聞いたことや見たりすることが増えてきた「格安SIM(シム)」。
言葉を知っているけど、ドコモやau、ソフトバンクなどの携帯キャリアとは何が違うのかよく分からないって人はまだまだ多いのではないでしょうか?
そこで、「格安SIM」を誰でも”超簡単”に分かりやすく説明します。
「格安SIM」っていったい何なの?
「格安SIM」という言葉は造語で、「MVNO」と言われる事業者がユーザーに提供している「SIM」のことを指します。
「SIM」とは?
まず始めに「SIM」について説明します。
「SIM」とはSIMカードを表す言葉です。そして、SIMカードは「Subscriber Identity Module Card」の頭文字を取った略。日本語に直訳すると「加入者識別モジュールカード」のことです。カード内にはユーザーの電話番号や契約している携帯電話事業者の情報などが記録されています。SIMカードをiPhoneなどの携帯電話端末に装着することで、その端末をカード内に記録されている電話番号で利用できます。
要するに契約した「SIMカード」があることで、電話やネットが利用できるってことになります。
「SIMカード」のサイズの種類
「SIMカード」を携帯電話端末に装着して電話やネットができる話をしましたが、気を付ける点があります。携帯電話毎に対応するSIMカードのサイズが異なるので、すべてのSIMカードがどの携帯電話にも使えるとは限りませんので、注意が必要です。
SIMカードは、「標準SIM」「microSIM」「nanoSIM」の3種類のサイズがあります。
最近のiPhoneやAndroidスマートフォン、タブレットなどは、「nanoSIM」の1番小さいサイズが使える仕様になり、「通常SIM」のサイズはほとんど使われなくなっています。
「SIMカード」と「端末」は同一キャリアで使えるのが基本
サイズ同様に気を付けなくてはならないのが、各キャリアにはキャリア毎に専用の回線(周波数帯)が割り当てられており、それに対応する「SIMカード」と「端末(iPhoneなど)」が揃うことで通信が可能となります。
例えば、ドコモ回線で通信するなら「ドコモのSIMカード」と「ドコモの端末」で使えます。なので、「SIMカード」のサイズが一緒だとしても「ドコモのSIMカード」を「auまたはソフトバンクなどの端末」に装着しても通信はできません。
「MVNO」とは何?
次に「MVNO」について説明します。「MVNO(エムブイエヌオー)」は「Mobile Virtual Network Operator」の頭文字を取った略語。日本語で直訳すると、「仮想移動通信業者」ことです。キャリアなどから無線通信インフラ(携帯電話回線)を借り受けて、音声通信やデータ通信のサービスを提供する事業者のことを指します。
ちなみに、借り受けて通信サービスを提供してるってことは、貸し出しする事業者が存在するってことになりまよね。それを「MNO(エムエヌオー)」と言い、「Mobile Network Operator」の略。ドコモやau、ソフトバンクなどのキャリア(移動通信事業者)のことを指します。
では、ここまでを分かりやすくサクッとまとめると・・・
ということになります。
さまざまな用語が色々出てきて、なかなか頭に入らないって方もおられるかもしれませんが、ざっくり理解していただいても、格安SIMを利用する際に特に問題ないです。
「MVNO」はどんな会社がやってるの?
先程から何度も出てきてる「MVNO」ですが、今ではなんと100社以上の会社が提供するほど、どんどん増えています。いったいどんな会社が参入しているのでしょうか。契約者数上位をご紹介します。
MVNO事業者名(サービス名) | シェア(%) | MNO事業者(回線) |
---|---|---|
インターネットイニシアティブ( IIJmio ) | 13.9% | ドコモ/au |
NTTコミュニケーションズ(OCNモバイルONE) | 12.2% | ドコモ |
楽天(楽天モバイル) | 11.4% | ドコモ |
ケイ・オプティコム( mineo ) | 8.2% | ドコモ/au |
UQコミュニケーションズ( UQ mobile ) | 6.4% | au |
知ってるとか、聞いたことのある会社などあったのではないでしょうか。こうして見るとさまざまな企業が参入してサービス提供されてます。
MVNOが格安と言われる理由
では、なぜMVNOが「格安」と言われてるのでしょうか?
それは字の通りドコモなどキャリアなどと比べ、携帯の月額料金が1/3以下になったりと、かなり安くなりお財布に優しいからです。下の表を参考でご覧ください。
大手キャリア | IIJmio(音声プラン) | IIJmio(データプラン) | |
---|---|---|---|
データ通信量 | 5GB | 6GB | 6GB |
データ通信料 | 5,000円 | 1,520円 | 1,520円 |
インターネット接続料 | 300円 | 0円 | 0円 |
通話料 | 1,700円 ※2年契約 ※1回5分以内無料 | 700円 ※音声通話機能付帯料 | 0円 |
通話オプション | - | 830円 ※1回10分以内無料 | - |
月額料金 | 7,000円~ | 3,050円~ | 1,520円~ |
上記の表のように、キャリアの携帯の月額料金が7,000円~に対して、音声プランなら3,050円~、データプランなら1,520円~でiPhoneなどスマホやタブレットなどを使うことができます。
「MVNO」がキャリアと比べて安い理由
キャリアも「MVNO」もどちらも同じように音声通信やデータ通信のサービスを提供しているのに、なぜ「MVNO」の方がキャリアより料金が安くなるんだろうと思いませんか?
「MVNO」が安くサービスを提供できる理由をまとめました。
①:携帯電話網のネットワークを構築する基地局の設備・整備維持費がいらない
「MVNO」は自社で通信設備を保有していません。キャリアから無線通信インフラ(携帯電話回線)を借り受けて、インターネット接続サービスをユーザーに提供しているため、日本各地にアンテナを立てたり基地局を整備運営したりなどの通信設備の管理や増強・メンテナンスなどのコストが全くかかりません。この設備を構築するための費用がかからない分、安くなります。
②:ネット販売を基本としていてるため店舗運営費がいらない
キャリアは店舗を展開してお客様に足を運んでもらってという販売スタイルになりますが、「MVNO」はほとんどが店舗を設置してなく、オンライン通販型のネット販売スタイルになります。そのため、店舗展開にかかるコストがいらないのです。
③:TVCMなどをほとんどのMVNOはしないため宣伝費を削減
今では何社かはTVCMを見たことがある方もおられるかもしれませんが、キャリアのTVCMの回数や頻度と比べれば、ほとんど行ってはいません。先ほどのネット販売を販売スタイルに同様に、ネットでの宣伝をメインとしているため、宣伝費を削減しています。
④:携帯電話網の通信帯域を一部だけのレンタルでコストを削減
キャリアは何千万人という契約者の通話や通信などが安定して行えるように、携帯電話網の通信帯域を保有しています。「MVNO」はその一部の回線(帯域)を借り受けているため、その分だけのレンタル料でコストを抑えるようにしています。
「MVNO」はキャリアよりも様々な面でかかるコストを削減したり設備管理費などが少ない分、料金を安くサービス提供できるということです。その仕組みや理由が理解できたのではないでしょうか。
まとめ
- 格安SIMとは「MVNO」事業者が、音声通信やデータ通信のサービスを提供しているSIMカード
- SIMカードとは「電話番号」などが記録されたICチップのことで、3つのサイズがあり、同一キャリアのSIMカードと端末で使うのが基本
- 「MVNO」とは、キャリア(MNO)などから携帯電話回線を借り受けて、音声通信やデータ通信のサービスをユーザーに提供する事業者
- 「MVNO」は、IIJ、OCN、楽天などさまざまな企業が参入してる
- 「MVNO」は、自社で基地局の設備を保有していないなど、かかるコストが少ない分、安くサービスを提供できる
いかがでしたでしょうか?少しは「格安SIM」や「MVNO」などの仕組みは大体わかりましたでしょうか。
格安SIMの契約者数が大方1,000万程度と、キャリアと比べると8%程度とまだまだ少ないです。ただ、契約者の増加スピードはキャリア以上で、これからもっと利用する人が増え普及してくのではないでしょうか。